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龍人伝説

昔ながらのわら草履作り

「若い人に喜んでもらえるとうれしい」と話すメンバーの女性たち
用途に合わせて赤や白の布を巻いたわらじ 手の平におさまるミニサイズ。携帯電話のストラップにお薦め
にぎやかに会話を楽しみながら、わらを編む 観光客に体験を指導

昔ながらのわら草履作り

 田辺市龍神村宮代地区の70歳代の女性5人でつくる「わらぞうり和(なごみ)の会」。
 メンバーの家の軒先に座り、最近の出来事や子どものころの思い出話に花を咲かせながらわら草履を作っています。
 わらは昔、生活に欠かせない素材でした。草履に始まり、ひもや袋、敷物として、現代のナイロンのような物だったのです。農耕に欠かせなかった牛の主食もわらでした。
 「わらを使う文化を無くしたくない」。和の会は、若い人にわらに興味を持ってもらい、技術が継承されるきっかけになればと2005年に結成しました。
 昔を思い出しながら互いに教え合ったり、地域の人から話を聞いたりし、作り方を覚え直したそうです。
 作ったわら草履は、宿泊施設の売店で人気商品になっています。また、祭りなどの伝統行事でも重宝されています。地元の学校や、観光客が集まるイベントでは草履を作る体験教室を開き、指導しています。
 「わらを通じて仲間が増えました。会話も楽しくて、まさに『なごみ』なんです」と、メンバーは楽しそうに話してくれました。

昔は子どもの日課だった

 メンバーが子どもだった60〜70年前、学校に通うのにわら草履が欠かせませんでした。背中のかばんには、いつも予備のわら草履がぶら下がっていたそうです。
 学校までの数キロを往復すると、わら草履は1日でぼろぼろになります。
 親に教わり、毎晩自分で新しい草履を作るのが当たり前でした。小学生なら1足で1時間以上掛かったそうです。メンバーは「自分で作った草履は弱かったが、親が作るものはよく締まっていて頑丈だった」と懐かしみます。
 家中で使うわらを編みやすいようにたたいて柔らかくしておくのは、子どもの仕事だったそうです。

創意工夫でおしゃれさも便利さも

 メンバーが作るわら草履は、色とりどりの古布が使われていておしゃれです。若い女性らに人気があります。若い世代に関心を持ってもらおうと知恵を絞り、ファッション性や現代の生活様式との調和も研究しています。
 たんすの奥から浴衣や着物を探し出し、リサイクルして使っています。最近は、活動を知った人が古布を譲ってくれることも増えたそうです。
 編んだわらにリサイクルした古布を巻くと、淡い青やピンク、緑など色とりどりの草履ができます。わらを使わず古布だけで作る草履は部屋履きにできます。丸洗いもできます。外反母趾(ぼし)に悩む女性は、スリッパとして重宝しているそうです。
 わら草履は、指が少しはみ出るのが普通です。しかし、若い人には違和感があるので、鼻緒を2本にして指がはみ出ないようにするなど、常に創意工夫を忘れません。

広がるわら草履の需要

 メンバーの活動が新聞などで取り上げられ、さまざまな用途で注文が来るようになりました。今は作る人が減っているので、人材を探している人も多いそうです。数十足単位での注文や、県外からの問い合わせもあります。
 神事での需要も多いそうで、これまで3カ所の祭りで注文がありました。地元で400年の伝統を持つ田辺祭では、稚児が役馬に乗る際に履くわらじに使われました。鼻緒に白い布を巻いた子ども用のわらじを作りました。
 ほかにも舞踊や、家に飾る縁起物など用途はさまざま。目的に応じ、鼻緒を赤くしています。
 メンバーは「わらが必要とされて、張り合いがあります」と胸を張ります。

わら草履作り体験
 わら草履和の会では、わら草履作り体験を実施しています。3人以上で、縄編みからぞうりができるまでの工程を体験でき、作品を持ち帰れます。
 所要時間は2時間程度。料金は1人1800円で、小学生は1200円です。実施できない日もありますので、お早めにご予約ください。

わら草履和の会 代表 舟原百合子さん
〒645-0411 田辺市龍神村宮代1009
0739-78-0341

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