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龍人伝説

自然と共にあるアート

自然と共にあるアート

 奥野さん夫妻は1984年、大阪から旧龍神村に移り住みました。誠さんは造形作家として活動するかたわら美術学校の講師を、佳世さんは画家として活動するかたわら高校の美術教員をしていました。
 龍神村には前年、廃校舎の活用と芸術による村おこしを目的に「龍神国際芸術村」が開村していました。当時の芸術村村長に誘われたのが移住のきっかけです。
 二人は「山奥の空気と水の美しい所で生活するのが理想だった」(佳世さん)、「ちょうど、芸術家としての活動を見詰め直す時期だったため興味を持った」(誠さん)と振り返ります。決心すると、1カ月後にはもう引っ越しをしていたそうです。

Iターンの先駆け

 二人は、旧上山路中学校舎である龍神国際芸術村アートセンターに住み込み、センターの運営をしながら芸術家としても新たな一歩を踏み出しました。
 自身の再出発と同時に絵画教室や木工教室なども開き、試行錯誤しながらアートを通した地域づくりを実践し始めました。佳世さんは「自然を大切にしながら子育てしよう」と呼び掛けて「手づくりクラブ」を設立。手作りのおやつや身の回り品を作る活動を広めました。廃油を使ったせっけんは今、地域に根付いています。
 また、人と人とのつながりを大切にしてきた活動は、その後多くの人が龍神へIターンする礎になりました。
 2004年〜06年にはアトリエ付きの住宅が芸術家向けに計9棟建てられるなど、二人の活動は現在につながっています。

山路紙の復活

 「山村文化の掘り起こし」を活動の柱の一つに位置づけていた二人は移住してすぐ、「山路紙」と呼ばれる和紙作りの文化があった事を知りました。戦後間もなく途絶えていたものの、原料となる楮(こうぞ)の生産農家はまだ残っていました。
 元職人を訪ねるなどし、紙すきを開始。徐々に誠さんの創作活動の中心となり、山路紙は復活しました。
 冬場に楮を収穫し、蒸して紙の原料となる樹皮をむいて乾燥させ、保存します。使う時は、表面の黒皮を取った後、灰汁で炊きます。水と太陽にさらして白くなり、柔らかくなった繊維をたたいて細かくし、すき舟(木製の水槽)に入れて簀(す)ですくうと紙になります。
 佳世さんは、自身の主な活動である草木染めで紙を自然の染料で鮮やかに染めます。
 また、紙作りは現在、龍神の福祉作業所の仕事としても定着しています。加工作業の一部を引き受けたり、葉書を作って土産物店で販売したりしています。

紙は最高の教材

 「紙は最高の教材」と二人は言います。
 同じ株から毎年収穫できる楮はまさに循環資源。楮は二酸化炭素の吸収率も高く、自然について多くのことが学べるのです。全部の素材が地元でそろうため、山村の文化を知る上でも意義があります。
 地元の小学校では、長年、二人の指導で卒業証書を生徒が手作りする体験授業が恒例になっています。単に紙をすくだけでなく、楮の収穫などから学びます。地元の高校でも授業に取り入れられています。

紙漉き体験
 奥野さん夫妻の作業場でもあった龍神村アートセンターが2009年4月から、国道425沿いに移転しました。
 十分な作業スペースがあるので、紙漉(す)き体験の施設としても今まで以上に利用しやすくなっています。
体験は小人1,500円、大人3,000円(材料費込み、所要時間2〜3時間)※要予約
・楮の樹皮が紙になるまでのほとんどの作業工程が体験できます
・できた紙は、後日郵送でお届けします

山路紙紙漉き工房
〒6450414 田辺市龍神村安井
0739-78-0185(自宅)0739-78-2228(工房)

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